愛犬のワクチン接種はなぜ毎年必要なの?混合ワクチンの種類と最適な間隔とは?

犬を飼っていると毎年「狂犬病予防接種のお知らせ」が送られてきますよね。

私たち飼い主が当たり前のように毎年行っている犬の予防接種ですが、なぜ毎年必要なのでしょうか?

そこで、混合ワクチンがなぜ必要なのか?毎年打たなければいけない理由についてご紹介します。

 

もくじ

混合ワクチン接種って何のためにするの?

犬のワクチン接種には、 狂犬病予防ワクチン混合ワクチンの2つあります。

 

狂犬病予防ワクチンは、毎年接種することが義務付けられており、犬を飼育する上で必ず毎年行うことになります。

一方の混合ワクチンは狂犬病ワクチンと違い、義務ではありません。

 

愛犬を病気から守るために任意で行うもので、特に免疫力のない子犬は生後2ヶ月目と3ヶ月目に2回接種を行います。(ワクチン接種プログラムによって3回接種する場合も)

混合ワクチンの種類は2種~9種まであり、当然ながら種類が多いほど予防できる病気が多くなります。

中でも、致死率の高い病気(犬ジステンバー、犬パルボウイルス、アデノウイルス)を防ぐ「コアワクチン」の接種は、どのような環境下においても(環境や地域に関係なく)接種することが推奨されています。

混合ワクチンの種類

2種

・犬ジステンバー

・犬パルボウイルス

5種(2種+)

・アデノウイルス1型

・アデノウイルス2型

・犬パラインフルエンザ

8種(5種+)

・犬コロナウイルス感染症

・犬レプトスピラ病黄疸出血型

・犬レプトスピラカニコーラ型

9種(8種+)

・犬レプトスピラ病ヘブドマディス

コアワクチン以外(ノンコアワクチン)の接種に関しては、犬種や地域、環境などによって、愛犬にあった種類を選択する必要があります。

 

混合ワクチンって毎年する必要があるの?

少し前まで、当たり前のように毎年接種していた混合ワクチンですが、近頃は年に一度の接種を勧める動物病院と、3年に一度の接種を勧める動物病院とがあり、獣医師によってワクチン接種の推奨年数が異なってきています。

なぜそんなことが起こっているのかと言えば、アメリカでの調査結果!

「おおよそのワクチンは接種すれば3年~5年は抗体がある」という結果が発表され、すでにアメリカでは「ワクチン接種は3年に一度」が定着しつつあるようです。

しかし、日本ではまだ方向性がはっきりしていないため、アメリカの指針に従い、「3年に一度」という獣医師と、従来通り「1年に一度」という意見に分かれてしまうというわけです。

 

 

混合ワクチンの接種は年に1度?3年に1度?

上記の通り、アメリカでは当たり前になりつつある3年に一度のワクチン接種ですが、実際、どちらの間隔に合わせたら良いのでしょうか?

では、アメリカが3年に一度の予防接種を推奨する理由を挙げてみましょう。

・ワクチン接種で3年~5年くらい抗体が持続する※

・過剰なワクチン接種によってアレルギーを引き起こす可能性がある

・ホルモンバランスに影響し、甲状腺機能の低下を引き起こす恐れがある

実際にワクチン接種が原因で死亡してしまった例もあり、年に一度の予防接種を疑問視する声が日本でも多くなっています。

特に高齢犬のワクチン接種には副作用が出やすくなるため、3年に一度に切り替える飼い主さんも出てきています。

※レプトスピラ症の予防ワクチンなど、ワクチンの種類によっては、半年くらいで抗体がなくなるものもあります。

 

レプトスピラ症とは、

レプトスピラ細菌によって起こる、犬にも人にも感染する人畜共通感染症です。

保菌動物(ねずみなどの野生動物)の尿に汚染された水や土などが、皮膚や口に入り込むことで感染し、症状として、熱や頭痛などの風邪のような症状が現れます。

軽度で済むこともありますが、重症化すると腎不全や肝不全などに進行し、死に至ることもある病気です。

 

一年以内のワクチン接種の証明書が必要になる場合も

上記の通り、日本では犬の予防ワクチンの間隔に関して方向性がはっきりしておらず、獣医師の間で意見が分かれています。

また、犬が利用する施設(ドッグラン、ドッグサロン、ペットホテルなど)では、一年以内のワクチン接種の証明書を求められることが多く、実際に(一年以上空けると)受け入れを拒否されてしまったという話も少なくありません。

確かにたくさんの犬を預かるお店では病気の蔓延を防ぐ責任があるため、年内のワクチン接種が1つの指針であり、お店にとっても他の利用客にとっても安心材料となります。

施設によっては「獣医師の証明書」いわゆる太鼓判的なものがあればOKな場合もあるため(実際、我が家の犬が通っているドッグサロンがそうでした)まずは、お店に確認してみることが大切ですね。

 

まとめ

それでは、今回の記事をまとめてみましょう!

 

・混合ワクチンは義務ではないが、愛犬を病気から守るためにしておきたいもの。

・ワクチンの種類は9種類まであり、愛犬の犬種や環境によって何種接種するのが適切かを選ぶこと。

・混合ワクチンの間隔は、日本では年に1度という意見と3年に1度という意見に分かれているため、副作用などの問題も含め、よく獣医師と話し合うことが大切。

 

愛犬の命を守るのは飼い主さんです。その子にあった最良の方法を選んであげて下さいね。