年に1度のワクチン接種には、愛犬を病気にさせない、他の犬に病気を移さないという大切な意味がありますよね。
しかし、ワクチンには副作用があり、時として重篤な副作用の症状が現れることもあります。
今回は、ワクチン接種後の副作用の原因と、少しでもリスクを回避するための対策法をまとめました。
もくじ
犬の予防ワクチンには義務のものと任意ものとがある

犬の予防ワクチンには、 狂犬病予防ワクチンと、 混合ワクチンの2種類があります。
狂犬病予防ワクチンは、狂犬病予防のために飼い犬は年に1度必ず接種しなければならないと法律で定められています。
一方、混合ワクチンとは、愛犬を様々な病気から守るために接種する任意のものであり、数種類あるワクチンの中から、愛犬に最適な予防ワクチンを飼い主さんが選ぶことになります。
ワクチン接種後の副作用ってどんなもの?
ワクチン接種後、人間と同じく犬にも副作用が現れることがあります。
「ワクチンアレルギー」と言われるもので、体の中にある免疫システムが反応し過ぎてしまうことが原因で起こる様々な症状を指します。
ワクチンアレルギーには「即時型アレルギー」と「非即時型アレルギー」があり、即時型アレルギーは、その名の通り、「即時」(接種直後~20分以内の間)に症状が現れ、手遅れになれば死に至ることもある重篤なアレルギー反応(アナフィラキシーショック)です。
一方で非即時型アレルギーは、だいたい12時間以内に症状が現れやすく、顔面の腫れや接種部位の腫れなどが見られます。
愛犬がワクチン接種後に震えているのは副作用が原因?
ワクチンアレルギーの症状は以下の通りです。
<即時型アレルギーの症状>
・けいれん
・震え
・呼吸困難
・チアノーゼ
・低体温
・低血圧
<非即時型アレルギーの症状>
・顔面膨張(口や目の周りの腫れ)
・接種部位のかゆみ、腫れ
・じんましん
・嘔吐
・下痢
先ほどもお伝えしましたが、アナフィラキシー症状が現れるのは、接種直後~数分の早い段階です。
その間に、上記のような症状(けいれん、震え、呼吸困難など)が現れた場合は、一刻も早く獣医師に知らせて下さい。
また、すぐに処置ができるよう、接種後の30分は動物病院で待機しましょう。
犬ワクチンの副作用への対策はあるの?

残念ながら、 副作用の出ない薬はありません。
ワクチンを接種すれば副作用が出る可能性は少なからずあります
下記を実施し、少しでも副作用のリスクを減らしていきましょう。
①体調が優れない、元気がない時は予防接種を見合わせること!
②ワクチン接種は、何かあった時にすぐに対応ができるよう午前中にすること!
③接種後30分以上は即時型アレルギーに備え、病院で待つこと!
④接種後は自宅でなるべく安静に過ごすこと!(何かあったらすぐに病院に相談)
⑤接種後3日間は様子を観察すること!
⑥シャンプーも体力を消耗するので接種後は少なくとも一日ほど避けること!
愛犬が高齢になったら特に考えてあげよう!
ワクチンの副作用は、狂犬病ワクチンよりも混合ワクチンの方が出やすいと言われます。
副作用は10歳以上の高齢になればなるほど起きやすくなるため、愛犬がシニア期に入ったら、混合ワクチンの見直しが必要かもしれませんね。
以前は当たり前のように年に1度接種していた混合ワクチンですが、最近はアメリカの指針に従い、3年に1度の混合ワクチン接種を推奨する獣医師も多くなりました。
ワクチン接種は愛犬の健康を守るために必要なものですが、本末転倒になっては意味がありません。
今の愛犬にあったワクチン接種の仕方をしっかりと選んであげて下さい。
まとめ
それでは、今回の記事のポイントをまとめさせて頂きます。
① ワクチンアレルギーには、即時型と非即時型とがあり、即時型はアナフィラキシー症状など、死に至ることもあるため早期治療を要する。
② 接種後はアレルギー反応に備え、30分は動物病院で待機すること。その後は自宅で安静に過ごす。
③ 高齢になるほど副作用のリスクは上がる。愛犬のワクチン接種を見直そう!
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